自宅前

自宅前
2013年5月18日現在の通り沿い。

2011年12月4日日曜日

動きを伝える

太極拳の指導をはじめて、伝えることのむずかしさをつくづく感じています。
それは、みんな足の長さ、手の長さ、身長、身体の柔軟性など誰ひとり同じ人がいないからです。

基本的な動きを伝えるにも、柔軟性が高ければ、どこにも違和感が出ないから、
自分の間違えには気がつきにくい。

すでに膝を壊したり、身体を壊している方も来ています。
でも無理なく出来て、改善出来るのも太極拳。

元気な人が間違った動きで頑張って膝を壊したら一大事。

もっと生活の中の身体の動きから探して伝えた方がわかりやすいかもと思うようになり、
いろいろ考えてみる。

細い通路で大男が向こうから歩いて来た時、私はどのようによけるか?

襲ってきたら、逃げるのが間に合わなかったら、どんな構えをするのか?

いたずらした逃げる子供を捕まえる時、どんな動きで捕まえるか?

突然飛んで来るボールをよける時、そのボールが速く右からくるのか左からくるのかわからない時、どんな身体の姿勢でいたら、どちらの方向にもよけやすい体勢でいるのか?

格闘技と武術の違いも重要で、武術は、戦うことを目的とはしていない。
武術は、戦わないことを目的としているから、武術ということの意味が、戦う事だと思っている人に
武術的には、などと言う言葉を使うと間違って受け取られるかもしれない。

伝えることのむずかしさ。

太極拳とピアノ。まったく違うけれど、指導という意味で言うとまったく同じだと感じることがあります。

ピアノの先生の25年間教えて来た指導者の技術。
先生は、その曲その曲で、楽譜の譜読みのレベルで教えてくれること、
ようやくある程度弾けるようになってから、教えてくれること、
すらすら弾けるようになってから教えて下さること、
何段階かにわけて指導してくれる。

初めの頃は、ある程度弾けるようになった時に、あとから教えて下さることを聞くと、
それならはじめっから教えてくれたら、今回の時までに出来るようにしたのに・・・・
何で先週このことも言っておいてくれなかったのかな?
と思う事がありました。

だけど、最近ようやくわかって来たのは、このレベルに弾けるようになったから、
はじめて出来ることがあるし、理解出来ることもあると言う事です。

それは、レベルに満たない時には、出来ないことで、わからない事でした。
なので、ピアノの先生の指導は、わかりやすいのです。


太極拳で動きを伝える時に、わかっていたハズがわからない動きに変わる時があります。
レベルが上がったのです。
わからなくなった動きが理解できるまでには、同じ動きを繰り返して練習する必要があります。

でもピアノと違って、自宅で練習するにも一人では、初心者は、それこそ何を練習して何をわかるようにしたらよいのかわからない。
少しわかっていた人もわからなくなっても何をわかるようにすれば、この心のモヤモヤが埋まるか
わからない。

わからないことがわかるマジックの言葉があるかもしれない。
そのヒントを探っています。

素晴らしい指導者の素晴らしい言葉が、初心者に伝わるかというと、
そうとも言えない。
自分の言葉で難しいことを簡単な言葉に変えて説明したい。

ミニバスケットボールの指導をしていた時に、伝えるむずかしさを思い知らされた。
バスケットボールの用語など、子供には何もわからない。
身体の動きを鬼ごっこなど遊びの世界から拾い出して来ないといけない。

小学3年生がディフェンスで夢中になったのは、ボールがメロンだと思う事だった。
その子がメロンが大好きだった。
引っ叩いたらメロンが割れちゃう。だからメロンが割れるような取り方は、ファール。
追いかけまわさないとメロンは自分のものにならない。
通せんぼディフェンス。


太極拳、教えるのは、大人が相手だけれど、わからない事が、わかるように指導するのが、
指導者の技量。言葉のむずかしさ。

頑張って身体を壊したら、健康太極拳としては、おかしなことになってしまう。
間違った動きは、危険です。

気持ち良く、爽快感を味わって楽しく続けていただけるよう、楽しくワクワク指導したい。

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