母が、生きていたころ、アルツハイマーだったのですが、
当時、ボケとか認知症とかアルツハイマーという言葉をテレビで聞く前の時代だったので、
母もまだ60代だったので、はじめ何かおかしいと思いましたが、
よくわかりませんでした。最近物忘れが激しいなと思っていた程度で、
家族の誰も気にしませんでした。
嫌とかあなたやってよと言う事が多く、もともと何でも人に頼る母だったので、
怠慢だと思っていました。
ある日いつも行く美容院から何時間たっても帰ってこなくなりました。
美容院に探しに行くと、もう何時間も前に帰られましたと言われました。
父と私で探しまわりましたが、私も子供が小さく連れて歩くにも限界があり、
どこにいったのかと心配して家に帰りました。
上の階に住んでいた父から警察から連絡があったと言う事で、
会社から帰って来た姉が車で迎えに行きました。
10キロ以上離れた警察で保護されていました。
はじめは、動揺した母が、父の名前が言えず、ずっとわからないと言っていたそうです。
落ちついた時にようやく父の名前を言えたので、帰ってこれました。
最近行方不明の認知症のお年寄りの話を聞くと、
母も父の名前を言えなかったら、帰ってこれなかったかもしれないと
思いました。
当時、テレビでもアルツハイマーやボケとかそんな話題がまだ何も言われていない
時代でした。
言葉を読めなくなり、字が書けなくなり、名詞を忘れ、何も話せなくなり、
汚物を持って歩いたり、トイレには何回も出たり入ったり1日の行動がトイレの往復になったり、
ところがある日突然歩く事が出来なくなったりしました。昨日までトイレの往復をしていたのに、
脳が歩くという指令を出さなくなったのでしょう。
そんな母を置いて、山梨に引っ越してきた時は、父がとても悲しがりました。
転勤で来たのですが、今では、すべてが懐かしい。
母のようになっては困るといろいろなものに取り組んでいる今の自分があります。
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