先生のすごいところは、その楽器の前に座ると瞬間にその楽器と対話されてしまうことです。
古楽器と現在のピアノでは、タッチも鍵盤の幅も違う。
ピッチも違う、鍵盤を押す柔らかいタッチは、ずっとpianissimoという感じで
弾かなくては、鍵盤が壊れてしまうぐらいのアクションしか出来ないような、
そんなピアノで素晴らしい演奏をされてしまう。
それも弾き比べですから、ヴァルターモデル1795年とシュタインモデル1788年の両方でどちらもまた微妙に鍵盤のアクションが違うのです。
鍵盤を少しだけ触らせていただきました。
薄くて繊細でちょこんと人差指で軽く押すともう音がして下まで到達してしまう。
現代のピアノの1/4ぐらい。
まだヴォルターモデルの方が、しっかりした感触でした。
どちらも再現して現在作られた楽器ですが、その美しい木の木目にうっとりしました。
ピアノ職人のお父さんが古い材料を沢山もっていて、この楽器が出来ていると伺いました。
パーティーで先生にいろいろ質問してしまいました。
演奏中、天から降りてくることがあるというお話やその目の前の楽器とすぐに向き合い、
毎回、そのピアノと離婚して次のピアノと再婚するようなものだとおっしゃってました。
現代の楽器に古楽器の響きの繊細な音を表現したいとおっしゃいます。
私の伺ったところでは、5台もグランドピアノをお持ちです。
セレモアコンサートホールに4台置いてありました。
私は行けませんが、秋のフェラインのイタリアの旅、ロベレートツアーでまたイタリアでも
演奏されます。イタリアモーツァルト協会でも高い評価をされている久元先生のコンサートを
多くの方に聴きに行っていただきたいです。
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